■ドライバーの賃金を上げるために・・・
国交省では倉庫事業者や運送事業者において労務費の適切な価格転嫁を進めるよう周知を行っています。とはいえ、受注者の立場はやはり強くはなく、発注者(荷主)に対して交渉を切り出すこともハードルになっている実態があります。
このような状況も踏まえ、国土交通省では、2024年4月15日、新たに倉庫事業者・貨物利用運送事業者向け相談窓口を設置しました。
下記のアドレスに価格転嫁や価格交渉等に関するご相談をご連絡くださいということです。( hqt-souko_riyou@gxb.mlit.go.jp )
このような動きは、労務費の適切な価格転嫁が進まなければ、ドライバー賃金も上がらないためです。
■価格転嫁の状況
最近の統計では、倉庫事業者や運送事業者において、労務費に関わる価格転嫁はとくに進んでいないことが判明しています。
原料費等と異なり、労務費については受注者側が生産性や効率性の向上を図ることで吸収すべき問題であるという認識が根強くあるためです。
しかし、将来的な物流危機が見込まれている現在において、ドライバー賃金を全産業平均以下に抑え込まざるを得ないような状況では、人手不足の解消は実現できません。物流危機は回避できないことになります。
■価格転嫁のための価格交渉について
2023年12月に公正取引委員会において策定された「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針について」(romuhitenka-2.pdf (jftc.go.jp))では、荷主、倉庫事業者、運送事業者が採るべき行動が定められています。それぞれ1点ずつあげておきます。発注者として採るべき行動:経営トップが実態を把握できるよう報告し、経営トップが対応方針を示すこと。受注者として採るべき行動:相談窓口などを活用して積極的に情報収集し交渉に臨むこと。
ぜひ、このような窓口を活用して労務費の価格転嫁を進め、ドライバーの方々の就業環境・条件を適切な水準へ引き上げて頂きたいと思います。相談窓口は実はたくさんあります。テーマによって適切と思われるところを選び、相談してみてください。
Comments