2024/9/10-13の「国際物流総合展2024」(東京ビッグサイト)、580団体3241ブースという過去最大規模の展示の中で、筆者が注目した展示を3つ選んでレポートします。
1.後付け自在な国産立体ロボット倉庫「ラピュタASRS」"ラピュタロボティクス"
枠組みだけの立体キューブにbin(コンテナ)を保管し、ロボットがbinを掘り出してくる自動倉庫。このタイプの倉庫を私たちが初めて目にしたのは、スウェーデン製の「オートストア(2018年に日本上陸。オカムラ、ソフトバンクロボティクスが販売)」でしょう。その後、フランス製の小型ロボットが狭い通路を高速で走り回る「スカイポッド(IHI販売)」も登場し、ニトリやイケアがオートストア、ユニクロはスカイポッドを導入したことが話題になりました。
ラピュタASRSは2023年8月リリースで、先行商品の使い勝手を向上させ、既存倉庫にも設置できるようにした最新の純国産ロボット倉庫です。高さ8cmの薄型ロボットがbinを載せた四脚台の下をくぐって走る構造なので、「通路なし」の保管効率と、「堀り出し時間なし」の作業速度の両方を実現。枠組みを「まるでレゴブロックのように」手で組み立て作業ができ、床固定なしで設置できるというかつてない手軽さも特徴です。ラピュタブースの展示は他に、人と協働するピッキングロボット「ラピュタAMR」と自動フォークリフトの「ラピュタAFL」の三点で、いずれも既存の倉庫に後付けで導入できるものでした。
2.「無限の可能性をカタチに」 岐阜プラスチック工業のボックスパレット展示
パレット上に四方の「壁」をつくることで、上面が揃っていない商品混載パレットや、商品の強度が足りないパレットの積み重ねを可能にし、トラック輸送時の積載効率を確保するボックスパレット。不定形貨物の保管と輸送効率の向上にも活用できます。岐阜プラスチック工業は広さ最大級のブースいっぱいに、各所で利用が広がりつつあるボックスパレット「スリーブボックスシリーズ」を展開。2024年問題対応のカギを握る渋い脇役が、華やかなライトを浴びてキラキラしているのが印象的でした。
3.「物流自動化トータルソリューション」ロボットのリーディングカンパニー"Mujin"のブース
筆者が毎年追いかけている「Mujin」社の今年のメイン展示は、ピッキングロボットとAGV、パレタイズロボットが協働して黙々と行う流れ作業の様子。注目すべきはこの作業の様子がそっくり、モニター画面にイラスト動画で再現されていることで、メーカの異なるすべての機器をMujinのコントローラーが一元管理していることがわかります。管理者はイラストをクリックして動きを制御したり、設定を変更したりできます。ロボットやAGVのかつてない機能や使い勝手がアピールされてきたこれまでの展示とは趣が異なり、物流ロボットが日進月歩の機能向上の時代から、技術的には安定した普及期・実用期に入ったことに気づかされました。
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