株式会社湯浅コンサルティング
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今年5月の法改正で、国土交通省が新たに指定する「特定荷主」約3000社に選任が義務付けられることになった「物流統括管理者」を巡って、一同の議論が続く。その当面の役割の一つ、ドライバーの荷待ち荷役時間を合計2時間以内に抑えるといういわゆる「2時間以内ルール」は、その解釈に関係者の間で混乱が起きているようだ。
物流統括管理者は本業に専念すべし/物流業界で多様な連携が始まった/「2時間以内ルール」をめぐる論争/荷待ち等の時間短縮は自社施設に限る
編集長は「物流統括管理者」の登場をCLO(最高ロジスティクス責任者)にこじつける風潮が、どうにも気に入らないようだ。その材料のつもりなのか、1990年代当時の大先生の講演テキストをカバンから取り出した。そこには「メーカーの物流管理には4つのレベルがある」と書かれている。①後処理型物流②物流システム③ロジスティクス、そして④SCMだ。
大先生事務所の開設20年を祝う会/いまでも多い「後処理型物流 」/図には登場しない「物流統括管理者」/ 物流統括管理者への期待
4月26日、「2024年問題」対策を盛り込んだ「物流総合効率化法」と「貨物自動車運送事業法」の改正案が成立した。これにより、主な荷主企業に役員クラスの物流統括管理者を選任することが、新たに義務付けられることになった。物流部門にとって追い風になるだろうか。
物流関連法の改正案が国会で成立した/ドライバー不足対策は三つある/ロジスティクスを担うのがCLO/物流統括管理者から供給統括管理者へ
国土交通省は3月22日、運賃を8%値上げした「標準的運賃」と新たな「標準運送約款」を告示した。そこには、運賃の10%に相当する「下請け手数料」を、運賃とは別に収受することも明示されている。同日、全日本トラック協会は、運送業務の再委託を二次下請けまでとする提言を発表した。運送業の多重下請け構造にいよいよメスが入る。
「よろず御意見窓口」が設置された/全ト協の多重下請け構造に関する提言/トラック業界の悪しき慣習を一掃する/「CLO」に期待される役割
今年2月13日、荷主とトラック運送の元請け事業者を規制する新たな法律が成立した。従来の「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律」の名称を「物資の流通の効率化に関する法律」に改め、一定規模以上の発荷主には物流改善計画の策定と所管省庁への定型的な報告、物流統括管理者の選任を義務付けた。
法制化が閣議決定された/荷主が目を背けてきた分野に法的規制/2030年度に向けた政府の中長期計画/本来のCLOの役割
2024年問題の本番が目前に迫り、行政の動きが熱を帯びてきた。岸田文雄首相が昨年6月に発表した「物流革新に向けた政策パッケージ」と、同10月発表の「物流革新緊急パッケージ」を受け、荷主・元請の締め付けが日に日に強まっている。山積する課題を目の前にして、物流担当者の意気はむしろ上がっているようだ。
初めての勧告・社名公表が出た/外国人ドライバー活用の動き/物流担当者にはやり甲斐のある時代/法制化の準備が進んでいる
国土交通省は昨年12月15日、「標準的な運賃・標準運送約款の見直しに向けた検討会」による提言を公表した。20年に創設した「標準的運賃」制度の内容を見直し、平均約8%の運賃引き上げ、各種割増料金の加算、元請けが運送業務を再委託する場合には、運賃とは別に運賃の10%を「下請け手数料」としてに荷主から収受することなどを求めている。
メーカー物流のあるべき姿/そもそも標準的な運賃とは何?/これまでの常識を否定する提言内容/運賃とは別に「下請け手数料 」
2023年は日本の物流が変わる大きな転換点になった。ドライバー不足の深刻さが社会的な問題として広く認識されて、多頻度小口・短納期をはじめとする長年の商慣習の見直しが始まった。この動きは今年さらに加速することになるだろうまる荷主は明らかに変わり始めている。一方、運送会社・運送業界はどうだろうか。
いつものメンバーで放談会が始まった/日本ハ ムなどメーカー4社の連携/ トラック業界の構造変化は起こるか /果たして大先生の夢は実現するか
加工食品業界が新たに物流のガイドラインを発表した。トラックドライバーの荷待ちや荷役作業の削減に向けた荷主企業の取り組みをまとめたものだ。初荷主・着荷主間の取引条件や商慣行にも踏み込み、実現すれば大きな効果を期待できる施策が並んでいる。大先生一同がその中身をつぶさに読み込んでいく。
加工食品業界のガイドライン/荷降ろし後の荷役は着荷主の仕事/荷主の担当者は現場実態を知るべし/既存の業者を大事にせよ
物流スタートアップのHacobuが、バース予約システムのプラットフォームに蓄積されたビッグデータから共同配送の実現可能性を分析した。その結果、首都圏から大阪に向かう長距離運行の約4割で、発着地と到着時間帯が一致していたことが分かった。ビッグデータを活用して物流を動かす「データ・ドリブン・ロジスティクス」が現実味を帯びてきた。
物流ビッグデータの活用が始まった/ 持続可能な物流検討会へのパブコメ/物流行政はかなりの本気モード/法制化の準備が進んでいる
女性記者が年表を作成した。 持続可能な物流の実現に向けた近年の動きを、企業間連携を中心に整理したものだ。ドライバー不足に端を発した物流危機が社会問題化、日々の生活を支えるインフラとして物流の役割が再認識され、そのあり方が抜本的に見直されることになる。我が国の物流は大きな転換点を迎えた。
近年の動きを示す年表が登場した/「物流生産性革命」からスタートした/ 荷主も活発に動き出した
トラックドライバーの時間外労働に上限が課せられる 2024年4月1日に向けて、官民の動きが慌ただしくなってきた。 国土交通省ではブラック荷主や元請けを取り締まる「トラック Gメン」が発足。 産業界を挙げての大規模な物流共同化や商慣行の見直しも加速している。これを機に、物流のあるべき姿を改めて問い直す荷主が増えている。
「トラックGメン」が登場した/時代の変化を象徴する新たな動き/日用品業界の物流大連合/持続可能な物流検討会を総括する/物流のあるべき姿への関心の高まり